よしもとばななさん
最近、初めてよしもとばななさんの本を読んだ。
名前はとっても有名なので知っていたが、
お恥ずかしながら、実際にどんな本が有名なのかよく知らなくて、
何かの雑誌のコラムか何かでその名前を見た時によしもとばななさんの名前を学生の時?ぶりに見た。
勝手に吉本新喜劇と関係あるのかなぁなんて思ったりもして、
その時のコラムで紹介されていた本の、最初の3行くらいを読んで、
この人の本はすごく読みやすいし、きっと最後まで読める本だと思った。
あっという間によしもとさんの本を2冊読めた。
あっという間は嘘だ。一冊読むのに一週間かかった。
中盤を越えたあたりからこの物語の行く末が(よしもとさんの本を読むのが初めてだったので)自分と合わなかったらどうしようかと心配して、数日間手がつかなかった。
それでも合間、合間に読み進めて、どうにか1冊目を読み終えて、本屋に行き、そこでよしもとさんの本を3冊ほど買った。
その時に買ったのがキッチン。
どうやらこのキッチンがよしもとさんの本ではとても有名な作品のようで読み始めたら中盤まで止まらなかった。
もちろん、中盤まで辿り着いて、えりこさん絡みの話が出た時にそれはもう落ち込んでしまった。
このまま読み進めるべきか、否か、ええい、よしもとさんを信じろ、俺のよしもとばななを信じるんだ!
って踏ん切りがつくまでに3日かかった。これだから気が弱い奴は困るぜ。
んで、読み終わって、読んでよかったと思った。
少し泣いてしまった。
みかげ、雄一、えりこさん、他の人達。優しくて、寂しいけれど、やっぱりあったかい。
私もみかげのように、誰か親しい人が夜に沈みそうになっていたら駆け付けたいし、
誰かに駆け付けたいと思ってもらえたら、それは本当にありがたいことだ。
昔、どこかでよしもとさんが描くようなあたたかい話を読んでいた筈のに、私はどこかでそれを忘れて、ぼんやりしているのに焦っているようで、時間に流されるまま、気付けばもう11月。
いい話っていう理由だけじゃなくて、どこか優しくてあったかい気持ちになれる本をもっと読みたいし、そのためには探さないといけない。
落ち込んでいたけれど大丈夫だって自分に言い聞かせて、ちょっとでも前向きになる、今の私にはそれがとても必要だと思える、素晴らしいタイミングで出会うことができたのがよしもとばななさんの本だった。
ありがたい。