よりよく暮らすとは
雑誌を見ていると、理想の暮らしっぽさを全面に出した
誰かの暮らしを紹介する記事があったりする。
ああいうのを見ると羨ましいな、と思う一方で、あの暮らしを維持するためにはけっこう大変そうだなぁなんとも思う。
理想ってなんだろう。
素敵な家で、素敵なインテリアがあって、素敵な食事をして、素敵な家族がいる。
そんなのが理想なんだろうけれども、
やっぱりどれをクリアするにしても継続して努力することが求められるような気がする。
なんかの雑誌で古民家をリノベーションして暮らしている翻訳家の人の特集があった。
家もこじんまりとしているけどセンスがよくて、素敵な暮らし。
しかし、そもそも翻訳家になるのだって本人の努力で、古民家を買ってリノベーションするまでのお金を稼いだのも本人の努力、決して手入れが楽そうには見えない自宅を維持している努力、そういう努力とか、継続していって、ああいう素敵な暮らしになるのだから、
大して努力をしていない私が羨ましいと簡単に口にしてはならない、そんな気がする。
でも、素敵な暮らしはしたいので、さぼりがちだった料理をしている。
料理ってめんどうくさい。
何が面倒臭いのか分からないけど面倒臭い。
今までも料理をしては、やめて、また料理をして、やめてを繰り返してきた。
その折りに、ふと調味料を揃えてみようと思った。
砂糖、しょうゆ、塩、めんつゆ、ケチャップ、マヨネーズ、コショウは常備していたけれど
にんにく、しょうが、オイスターソース、片栗粉、オリーブオイル、みそ、だしの素、白だし、など一通りそろえてみた。
すると、レシピの材料・とりわけ調味料の部分が揃ったので色々なものを作れるようになった。
これまで調味料のあれが足りないこれが足りないで諦めていた料理の、肉や魚に下味をつけることが出来るようになり、
私はまた料理をはじめた。
卵焼きすら作るのが億劫だった私が台所に立って料理をしているのは(自分で言うのもなんだが)ちょっと感動してしまう。